日本人にとってお線香というのは馴染みの深い物で、
実家に帰ると仏壇にお線香をあげたり、お墓参りをすると
ご先祖様や亡くなられた身内を偲びお線香をあげる風景というのは
良くに目にします。
私の母方の祖母の家はお寺をしていました。
お寺といっても格式の高いお寺という感じではなく、祖母一人でお勤めといっては
心経を唱えている姿を遊びにいくと目にしたものです。
その為か家の中はお線香の香りがいつもあり居心地の良い香りでした。
今回はそんな日本に馴染み深いお線香の正しいあげかたなどをご案内していきます。
お墓の事について解消する記事をまとめてます(。・_・。)ノ
お線香の正しいあげかたは?
お線香というのは日本人に馴染む深い分、ついつい正しいあげかたというのを
見失いがちです。
線香花火感覚で直接、ライターやマッチなどで直接、お線香に火を付けようと
するお子さんがおられても不思議ではありませんが、意外にも大人の方でもおられる
事があります。
特に見られるのは通夜の時、お線香の火を絶やさないようにと寝ずの番をされますが
煙草を吸われる方なんか直接ライターからお線香に火をつける方もみられます。
ライターやマッチから直接、お線香に火を付けるのは正しいあげかたではありません。
正しいあげかたはロウソクから火をうつすのが正しいあげかたとなります。
様々な宗派がある中でもお線香をロウソクから火をうつすのは決まっている作法です。
またロウソクが2本ある場合は必ず右のロウソクから火をうつします。
ロウソクが1本しかない場合は必ず右側に置いてあります。
またお線香にうつした炎が燃え盛ってしまった場合は
息を吹きかけて消すのは正しいやり方ではありません。
正しくは手で仰いで消すはお線香を下へスッと引いて消す方法が
正しい消し方となります。
お寺には必ずロウソクがありますが
ロウソクを灯すには2つ意味があるそうです。
1つ目は
ロウソクの炎は「仏の知恵」を表します。
ロウソクを灯すと明るくなるように私の心を明るく照らしくれる「仏の知恵」を意味しています。
2つ目は
ロウソクは人間の一生に例えられています。
火が付いた時が生まれた時。
ロウを燃やして消える時が寿命を終えた時を例えています。
また風が吹けば炎が消えるように病気や災難で命を終える事を例えています。
なんだか深いですよね。
お線香の本数
良く目にするのがお線香をあげる際、人によって本数が違うという事はないですか?
私が知る限りでは1本~3本で、これ以上あげている方は見た事がありません。
私は幼少の頃から2本と教わっていたので今まで2本上げていましたが
どうして人によって上げる本数が違うのでしょうか?
本数が違うのはそれぞれ宗派が違うからです。
各ご家庭で宗派が違いその為、教わったお線香をあげる本数が違う為、そのような相違が
生まれてきます。
■お線香が1本の宗派
お線香をあげる本数が1本なのは浄土真宗になります。
浄土真宗の場合はお線香を折って横に寝かせるのが正しい上げ方としており
その為、手に取るのは1本となります。
お線香を1本だけに理由は真の教えは1つしかないという意味も
ありますが「仏」「法」「僧」は3つ独立しておらず3位1体でると
あるという考えからきています。
■お線香が3本の宗派
お線香をあげる本数が3本なのは天台宗と真言宗になります。
「仏」「法」「僧」を3本のお線香でしています。
お線香は香炉の中で逆三角形になるように立てます。
ただし天台宗や真言宗でも49日までは故人の枕元に立てるお線香は1本のみ
と決められています。
理由として49日までは故人の霊魂はこの世におられますが、お線香の灯りが
進むべき道しるべになると教えられているからです。
■お線香の本数が決められていない宗派
お線香をあげる本数が決められていない宗派,臨済宗、曹洞宗、日蓮宗、浄土宗になります。
決められていませんが、やはり4本以上あげる事はなく
1本~3本その中でも1本もしくは2本が多いようです。
立て方もとくに決まりはないようで、3本立てる際にも天台宗や真言宗のように
逆三角形にたてる必要はなく、横一列で立てても問題ありません。
■「仏」「法」「僧」
先に出てきました「仏」「法」「僧」は仏教における3つの宝物をさし三宝と呼ばれています。
「仏」は釈迦
「法」は教え
「僧」は僧迦
を意味しており仏の説いた教えを法とし法を学んだ仏弟子の集団を僧迦と
考えるのが一般的なようです。
他には
「仏」仏像
「法」経巻
「僧」出家者
という考えもあるそうです。
お線香を折る意味はなに?
私が実際に見てちょっと驚いたのがお線香を折るという動作をされた方を見た時です。
お線香を折る?
それって良いの?
お弁当の割りばしを食べ終わると2つ折るかたもおられますが
なんだか不作法に見えてしまいますよね。
それと同じでお線香を折るというにはどうなのでしょうか。
先ほども書いていますが浄土真宗ではお線香を2つに折って2本とも
火をつけ香炉に横に寝せます。
実はお線香とのは江戸時代中期に考案された物で燃香という正式な作法を
略式にされたものです。
その為、お線香を使っても立てずに燃香に模して2つに折り横に寝かせて
お供えします。
香炉が小さい場合は3つに折る事もあるそうです。
その為、決して不作法でもマナー違反でもないのです。
私が見た方も浄土真宗の方だったのでしょうね。
さいごに
■お線香の正しいあげかたは?
・ロウソクから火をうつす
・2本ロウソクがある場合は必ず右のロウソクから火をうつす
■お線香の本数
・お線香をあげる本数が1本なのは浄土真宗
・お線香をあげる本数が3本なのは天台宗と真言宗
・お線香をあげる本数が決められていない宗派,臨済宗、曹洞宗、日蓮宗、浄土宗
■お線香を折る意味はなに?
・浄土真宗は2つにおってお供えします。
宗派は違いやり方もそれぞれ違うけどお線香を使う、またロウソクの決まりなど
同じ考えをもつところも深くて興味深いですよね。
お葬式や慰問にお伺いするときは相手に宗派を伺うのは失礼になります。
もし宗派を存じない場合は自分のやり方で行うのも礼儀になります。
作法よりも故人を偲ぶ気持ちの方が大事なのではないでしょうか。
参考になれば幸いです。
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